ギリシア人の物語Ⅲ

読書

アレクサンダー大王に学ぶトップマネジャーの責務

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塩野七生さんが書く最後の歴史長編である本作の主人公はアレクサンダー大王。

ギリシアの辺境の地でしかなかったマケドニアをギリシアの覇者にし、そして現在のインドにまで及ぶ東征を成し遂げた古代の名将です。

本の帯にもあるようになぜアレクサンダーは後の人から「大王」と呼ばれるようになったのか、そしてなぜキリスト教徒の親が子にアレクサンダー(英語)、アレッサンドロ(イタリア語)などの名前をつけるのか。

アレクサンダー大王の生涯を追うことでその謎にせまります。

盛者必衰のことわり

前作『ギリシア人の物語Ⅱ』では、アテネの民主政が大輪の花を咲かせ、そして散り始めたところあたりまでが書かれていました。

 

本作『ギリシア人の物語Ⅲ』では、そのアテネの凋落から始まり、軍事力にものを言わせたスパルタとそのスパルタを破ったテーベの成功と失敗などが第一部で書かれています。

 

これなどは、平家物語で書かれている「盛者必衰のことわり」によく似ているように感じます。

どの時代であろうと、どの国であろうと成功したものはいずれ落ちぶれるのは変わらないのです。

 

では、なぜ、そのようなことがおこるのか。

もちろん、その理由は一つではないのでしょうが、一つの大きな理由は持てる資源を有効に活用できないことにあるようです。

 

政体の如何にかかわらず、住民共同体ではある国家が機能するか否かは、持てる力をどれだけ効率的に活用できたかどうかにかかっている。

 

この一文が全てを物語っているように思います。

 

アテネもスパルタもテーベも、結局のところ自国の資源(主に人間)を有効に活用できなかったことにその凋落の原因があったのです。

 

もちろん、これは現代の国や組織にも当てはまることです。特に日本のような「人こそ資源」という国では、よりこの資源の有効活用こそが国家の命運を握っているということになるでしょうね。

 

アレクサンダー大王は、後継者育成に失敗したベンチャー経営者

著者の塩野七生さんもアレクサンダー大王のことは高く評価しています。

 

古代の名将してハンニバル、スキピオ・アフリカヌス、ユリウス・カエサルなどと共にアレクサンダー大王も高く評価していることは本書を読むと歴然としています。

 

しかし、アレクサンダー大王の死後は、後継者争いが起こり、結局、彼の帝国は分割統治されることになります。

後継者を指名していなかったことが最大の要因だと思いますが、それとともに大きな問題だったのが、アレクサンダーは部下の将を自分の後継者として教育いていなかったことなのです。

 

それが、意図的なものだったのか、そこまでの余裕がなかったからなのかはわかりません。

まぁ、一番の理由は、彼の死が32歳という予想外の時期にきたことだと思いますが・・・。

 

しかし、国を安定かつ持続的に発展させていくためには、そのための制度なり後継者を準備しなくてはなりません。

それがアレクサンダー大王にはなかったのです。

確かに武将としては、カエサル(シーザー)をも上回る能力と実行力があったのかもしれません。

しかし、カエサルの死後もローマは発展していったことを考えるとマネジャーとしての能力はカエサルの方が上だったとするしかありません。

 

つまり、プレイヤーあるいはプレイングマネジャーとしては超優秀であったにも関わらず、トップマネジメントの最大の責務を果たさなかったという点では、アレクサンダーは後継者育成に失敗したベンチャー企業の経営者のようであると感じたのでした。

 

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