今年から2019年あたりにかけてマーケットを動かす主要因になるのがアメリカの金利動向です。
そこでこの記事では、アメリカの金利動向が世界のマーケットにどのような影響を与えるのかを考えます。
結論はかんたんにいってしまうと、アメリカの金利が高くなればリスクオフの動きが進むということです。
そして、その傾向はすでに始まっているということを見ていきます。
目次
米国の金利
長期金利
2016年7月を境に利回りは低下傾向から上昇傾向になっています。
つまり、債券は買われる局面から売られる局面へと移行。
アメリカフェデラルファンド金利
アメリカの政策金利であるフェデラルファンド金利とダウの動き。
出典:日経平均株価AI予想
こちらもリーマンショック以降ほぼ0まで下がった水準が2018年に入ってから上昇しだしています。
それに影響されて18年の2月には株価下落が起きました。
新興国通貨
リスクオフの動きがよくわかるのが新興国通貨の対ドルレートです。
USD/TRY トルコリラ
日本でも高金利通貨として人気のトルコリラの対米ドルチャートです。
上に行くほどトルコリラ安ということになります。
このチャートでは2013年5月くらいからトルコリラ安が始まっているようです。
USD/MXN メキシコペソ
トルコリラ、南アランドとともに高金利通貨として人気のあるメキシコペソの対ドルチャート。
2014年9月あたりからチャートは上昇(メキシコペソ安)が進んできました。
2017年以降は小康状態といったところです。
USD/CNY 人民元
次に見るのは中国人民元の対米ドルレートの推移です。
こちらは2014年1月から人民元安が進み一旦持ち直したものの2018年1月から再び人民元安が進行しています。
これらの通貨では、2013年から2014年あたりから現地通貨安が進んでいることがわかると思います。
新興国株式
次に新興国の株式を見てみましょう。
上海総合
出典:Kabutan
2015年6月に高値をつけたあとはほぼ半値まで下落。
人民元安も進んでいるので海外の投資家にはより大きな痛手となっています。
ベトナムVN指数
こちらは2018年初頭までは大きく上昇していましたが、3月以降は下落傾向にあります。
ムンバイsensex30
対照的に新興国の中でも上昇しているのがインドの指数です。
こちらは綺麗な上昇チャートですね。
アメリカ
NYダウ
アメリカの代表的な大企業からなる指数。
ここ10年でおよそ2.5倍の上昇。2018年に入ってからはやや足踏み状態。
ナスダック総合指数
アメリカのハイテク企業が多く上場するナスダックの総合指数。
この10年で4倍ほどの高騰を見せています。
この記事のまとめ
今回は多くのチャートを見てもらいました。
投資家としてはアメリカの量的緩和終了と金利の上昇が世界のマーケットにどのような影響を与えているのかを考えておく必要があります。
新興国通貨や株式指数の中にはすでに大きく下落しているものもあります。
一方、インドのSENSEXやアメリカのダウ、ナスダックなどの指数はまだ上昇を続けています。
量的緩和や歴史的な低金利の時代により高い利回りを求めてリスクの高い資産を買いあさっていたマネーが逆流しだしているのです。
それが、今後、どこまで進んでいくのか、つまり、新興国通貨や株式市場の下落のみで終わるのか、先進国のマーケットにも大きな影響を与えるのかが大きな問題になってきます。
リーマンショックから10年の時が過ぎており、そろそろ大きな下落(というよりパニック)が起きるのではないかというのがぼくの見立てです。
果たしてどうなるでしょうか。
2019年から20年くらいには結果が出ていると思います。